うつ病の治療では周囲の人の接し方も重要
うつ病の治療では、周囲の人の接し方も重要です。うつ状態にうまく対処すれば当事者の絶望・覚悟のプログラムの誤作動を防止できるのです。
うつ病の治療のためには、うつ状態についてよく知る必要があります。うつ状態とは、端的にいうと人が完全に疲労し、そのピンチの状態を何とか乗り切るために、感情の制御を総動員した状態であると表現できます。
ですのでうつ病の人への接し方にも十分配慮が必要です。安全な棲処に引きこもる。そのためには二つのことが必要になります。一つはできるだけ気配を消すことです。
姿勢を低くし、明るいところを避け、慣れ親しんだ比較的狭い場所に身をひそめ、できるだけ外にも出ないようにしたのです。そのためには食欲を減らし、興味を減らす必要がありました。
うつ病の治療 http://utsubyo-naosu.com/chiryo/
慢性疾患のように、長期間身体疾患を患っていることがストレスになって、うつ状態が生ずる場合もあります。
このような場合、身体疾患の主治医と精神科医が密接に連絡を取り合って治療にあたる必要があります。
ある先生は、初診時には、相手が年少の幼児であっても必ず自己紹介をして、「少しお話を聞かせてください」と伝えています。
治療者には、子どもであってもひとりの人格として尊重する謙虚で真摯な態度が求められると思うからです。
すなわち、子どもと対等な立場で、同じ高さに視点を下げて、正直に接し、子どもが困っていることを一緒に考えていこうとしている姿勢を伝えていきます。
そして、いっぽうでは可能な限り安心感を与えながら治療関係を構築し、他方では冷静に状態を観察し、診断するという複眼的視点が必要なのです。